ActiveDirectoryで組織単位(OU)の作成方法とトラブルシューティングガイド

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ActiveDirectoryで組織単位(OU)の作成方法とトラブルシューティングガイド

Active Directory(AD)は、企業内でユーザー、コンピュータ、グループ、ポリシーなどを一元的に管理するための重要なサービスです

その中でも、「組織単位(OU)」は、管理を効率よく行うために役立つ便利なツールです。OUを使うことで、特定の部署やグループごとに設定を整理したり、グループポリシーを適用したりすることができます。

本記事では、シナリオを交えながら、ADで新しいOUを作成する方法をステップバイステップでご紹介します。これで、よりスムーズにADを活用して、組織の管理を効率化できますよ!

目次

組織単位 (OU)とは?

組織単位(OU)」は、Active Directory(AD)内でオブジェクトを整理するための便利なコンテナです。例えば、企業の部門やプロジェクトごとにユーザーやコンピュータをグループ化することができます。

これにより、特定のOUに対して個別に設定を適用したり、管理者権限をそのOUに委任したりすることができるんです。

OUを使うことで、より柔軟に管理ができるようになり、各部門やプロジェクトに最適な設定を簡単に適用できるので、管理業務が効率よく進められますよ!

組織単位(OU)を作成する理由

組織単位(OU) を作成することによって、セキュリティ強化やコンプライアンス対応に関して以下のメリットが得られます。

グループポリシーの効率的な適用

OUは、Active Directory (AD) の階層構造を利用して、特定のユーザーやコンピューターに適切なポリシーを適用できます。

  • セキュリティポリシーの集中管理
    OUごとに異なるセキュリティ要件を設定できます。たとえば、財務部門はより厳格なパスワードポリシーや多要素認証 (MFA) を要求する場合に、グループポリシーを適用して制御可能です。
  • アクセス権管理の強化
    データアクセスをOU単位で制限できるため、不要なアクセスを防ぎ、内部からの情報漏えいリスクを軽減できます。
  • USBデバイスの制限
    USBストレージの使用を禁止し、データ持ち出しやウイルス感染を防ぐポリシーを部門別に適用できます。

コンプライアンスへの対応

OUは、法的要件や規制に基づいたアクセス制御や監査管理を簡単に実施できるため、コンプライアンス遵守を支援します。

  • 監査とログ管理
    OU単位でログや監査を設定し、アクセス履歴やポリシー違反を記録・監視できるため、外部監査や法令遵守に必要なデータを容易に取得できます。
  • データ保護規則への準拠
    GDPRやHIPAAなどの規制対応が必要な場合、OUごとに暗号化やバックアップポリシーを適用して対応可能です。
  • ユーザーアカウント管理の効率化
    アカウントの作成、削除、変更をOU単位で管理できるため、職務変更や退職時のアクセス権の適切な制御が容易です。

セキュリティの強化とリスク低減

OUは、環境ごとにポリシーを細かく設定できるため、セキュリティ対策を強化します。

  • 管理権限の分離
    各OUの管理者に委任権限を付与できるため、最小権限の原則を遵守しつつ、管理負荷を分散できます。
  • サーバーやデバイスの構成管理
    デバイスの設定やセキュリティパッチ適用を自動化し、未更新のシステムによるリスクを最小化します。
  • 隔離環境の構築
    機密データを扱う環境では、隔離されたOUを作成し、ネットワークセグメントやアクセス制御を強化できます。

ビジネス要件への柔軟な対応

OUは部門やプロジェクトごとに分けることで、業務要件に応じた設定を柔軟に適用できます。

  • 部門や拠点別のポリシー適用
    支店やプロジェクトごとに独自のセキュリティ対策を適用できるため、異なる要件に対応できます。
  • 一時的なプロジェクト管理
    期間限定のプロジェクトチームに対してOUを作成し、終了後に簡単にアカウントや権限を削除できます。

OUを適切に設計・活用することで、セキュリティの強化、法令遵守、運用管理の効率化が実現できます。特に複雑な組織構造や厳しい規制要件に対応する企業にとって、OUは柔軟かつ強力な管理ツールとして機能します。

組織単位(OU)を作成

今回は例として、「営業部」部門のOUを作成します。

「営業部」部門のOUを作成します。

STEP
「サーバーマネージャー」から「ツール」メニューをクリックします。
「サーバーマネージャー」から「ツール」メニューをクリックします。

STEP
「Active Directory ユーザーとコンピューター」をクリックします。
「Active Directory ユーザーとコンピューター」をクリックします。

STEP
左側のツリーから 「digitalwith.local」を右クリックして、「新規作成」→「組織単位 (OU)」をクリックします。
左側のツリーから 「digitalwith.local」を右クリックして、「新規作成」→「組織単位 (OU)」をクリックします。

STEP
「名前」のフィールドに「営業部」と入力し、「間違って削除されないようコンテナーを保護する」にチェックされてることを確認し、「OK」ボタンをクリックします。

OU の名前は、後からでも変更できます

「名前」のフィールドに「営業部」と入力し、「間違って削除されないようコンテナーを保護する」にチェックされてることを確認し、「OK」ボタンをクリックします。

STEP
組織単位(OU)/営業部が作成されます。
組織単位(OU)/営業部が作成されます。

以上で、組織単位(OU)/営業部の作成は完了です。

トラブルシューティング

作成した組織単位(OU)/営業部が、以下メッセージが表示され削除できない

作成した組織単位(OU)/営業部が、以下メッセージが表示され削除できない。

拡張機能を表示(有効化)して、削除します。

STEP
Active Directory ユーザーとコンピューター」→ 「表示」→「拡張機能」をクリックします。
Active Directory ユーザーとコンピューター」→ 「表示」→「拡張機能」をクリックします。

STEP
「営業部」を右クリックして、「プロパティ」を選択します。
「営業部」を右クリックして、「プロパティ」を選択します。

STEP
「オブジェクト」タブをクリックし、「誤って削除されないようにオブジェクトを保護するのチェックをはずし、「OK」ボタンをクリックします。
「オブジェクト」タブをクリックし、「誤って削除されないようにオブジェクトを保護するのチェックをはずし、「OK」ボタンをクリックします。

STEP
組織単位(OU)/営業部 → 「削除」をクリックします。
組織単位(OU)/営業部 → 「削除」をクリックします。

STEP
「はい」ボタンをクリックします。
「はい」ボタンをクリックします。

STEP
組織単位(OU)/営業部が削除されます。
組織単位(OU)/営業部が削除されます。

削除後は、拡張機能を非表示(無効化)しておきましょう。

まとめ

今回は、ActiveDirectoryで組織単位(OU)の作成方法とトラブルシューティングガイドについて紹介しました。

Active DirectoryでOUを作成することで、企業内のリソースをより効率的に管理できるようになります。

たとえば、部門ごとのニーズに合わせてポリシーを適用したり、管理を簡単にしたりできます。

今回の例では「営業部」のOUを作成しましたが、このようにOUをうまく活用すれば、管理者は複雑な環境にも柔軟に対応できるんです。

自社の実際のシナリオに合わせてOUを設計すれば、IT環境をさらに最適化できるので、ぜひ試してみてください!

参考情報
本記事内の設定手順は、MicrosoftのWindows Server のドキュメントに基づいて解説しています。詳細な仕様については、公式ドキュメントも併せてご確認ください。

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