ActiveDirectoryのFSMOについて検証してみました。
Active Directory(AD)のFSMOって、最初は名前すら聞いたことがなかったんです。でも、会社のサーバー移行プロジェクトで痛い目を見て、一気にその重要性を実感しました。
ある日、「パスワードを変えたのに反映されない」という問い合わせが相次ぎました。調べてみると、原因はFSMOの役割の一つであるPDCエミュレーターのトラブルでした。最初は「FSMO?何それ?」状態でしたが、試行錯誤しながら対応して、ようやく解決。
この経験を通じて、「ADを運用するならFSMOを理解しておかないとヤバいな」と思ったので、今回はその仕組みや管理方法を、初心者向けにわかりやすく解説していきます。
FSMOとは?
FSMO(Flexible Single Master Operation)は、ADの中で「この役割は特定のサーバーだけが担当する」という仕組みです。FSMOには5つの役割があり、それぞれ大事な仕事をしています。
FSMOの5つの役割
- スキーママスター:ADのデータ構造を管理。新しい属性を追加するのに必要。
- ドメイン名前付けマスター:新しいドメインを作成するときに必要。
- RIDマスター:ユーザーやコンピューターの識別番号(SID)を発行。
- PDCエミュレーター:パスワード変更の即時反映、時刻同期などを担当。
- インフラストラクチャマスター:異なるドメイン間の情報を正しく更新。
これらの役割がうまく機能しないと、ADの運用がぐちゃぐちゃになってしまいます。
FSMOのメリット
FSMOを理解すると、ADの管理がしやすくなります。
例えば、
パスワード変更の遅延が発生しても、PDCエミュレーターを確認すればすぐに対応できます。適切に設定されていれば、ユーザー管理やドメイン変更もスムーズに進みます。
私もFSMOを知らなかった頃は、原因特定に時間がかかっていましたが、今ではすぐに対応できるようになり、AD運用が安定しました。
FSMOの確認方法と移行手順
FSMOの役割を確認する方法
PowerShellで以下のコマンドを実行すると、一発でFSMOの情報が出てきます。
netdom query fsmo
これを知らなかった頃は、トラブル対応で右往左往していましたが、今はまずこのコマンドを叩いて、どのサーバーがどの役割を持っているか確認するようにしています。
FSMOの役割を移行する方法
PowerShellで以下のコマンドを実行すると、一発でFSMOを移行できます。
Move-ADDirectoryServerOperationMasterRole -Identity “移行先のDCサーバー名” -OperationMasterRole 0,1,2,3,4
※-OperationMasterRoleは0から4までの数字で各FSMOを表します。
0:PDCエミュレーター
1:RIDマスター
2:インフラストラクチャマスター
3:スキーママスター
4:ドメイン名前付けマスター
FSMOの移行には、GUIとコマンドの2つの方法があります。
個人的にはGUIの方がわかりやすいですが、環境によってはコマンドの方が確実です。
FSMOのトラブルシューティング
- FSMOを移行したら、ログインできなくなった!
-
PDCエミュレーターが正しく移行されていない可能性あり。元のDCに戻し、もう一度移行を試してみる。
- FSMOの移行が途中で止まる!
-
ntdsutilで強制移行するか、DC間の通信状態をチェック。
- netdom query fsmo でエラーが出る!
-
FSMOのDCがダウンしていないか確認。再起動してもダメならイベントログをチェック。
FSMOを使用してみた感想
FSMOの役割を知る前は、ADの管理がブラックボックスのように感じていました。でも、FSMOを理解してからは、トラブルの原因をすぐに特定できるようになり、管理がぐっと楽になりました。特にPDCエミュレーターの重要性を実感しましたね。実際に、「パスワードが反映されない」問題が発生したときも、以前なら右往左往していましたが、FSMOを理解していたおかげで、まずPDCエミュレーターの状態を確認し、スムーズに解決できました。
一方で、FSMOの移行手順はGUIだと直感的ではなく、最初はどこを操作すればいいのか迷いました。また、FSMOの役割を持つDCが停止すると影響が大きいので、冗長化の重要性も感じました。とはいえ、FSMOを理解することでAD管理の視野が広がり、より安心して運用できるようになったのは大きな収穫です。
まとめ
ActiveDirectoryのFSMOとは?役割の仕組みと管理ポイント!について紹介させて頂きました。
FSMOは、ADの安定運用に欠かせない重要な役割を持っています。最初は「難しそう」と思うかもしれませんが、基本的な役割と確認・移行方法を押さえておけば、いざというときに役立ちます。
私自身、FSMOを意識するようになってから、AD管理の視点が変わりました。「なんとなく動いてる」から「どこが問題なのか把握できる」に変わった感じです。
ADを管理するなら、FSMOの知識は必須!ぜひこの機会にチェックしてみてください。

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